いぼの見分け方や種類
ウイルス性のイボ
尋常性疣贅
(じんじょうせいゆうぜい)
もっとも一般的ないぼです。
ザラザラとした表面、まわりの皮膚と同じ色または白っぽい見た目をしています。
手のひら、足裏などによく見られます。
青年扁平疣贅
(へんぺいゆうぜい)
山型やドーム状ではなく、ほぼ平らないぼです。
いぼというよりも、シミが薄く盛り上がったように見えることもあります。通常、まわりの皮膚と同じ色またはピンク色をしています。
額、手の甲などによく見られます。またしばしば、多発します。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマという性感染症の症状としてできるいぼです。
先端がとがっている、またはカリフラワー状の見た目をしています。
亀頭、外陰部、肛門などに見られます。
ミルメシア
ドーム状であり、中心部に小さなくぼみがあります。
手のひら、足裏などによく見られます。魚の目とよく見間違えられます。
伝染性軟属腫
(水いぼ)
子どもによく見られるいぼです。
表面がツヤツヤとして、しばしばかゆみを伴います。水いぼを潰してしまうと、ウイルスが広がり感染が拡大することがあります。
体幹、手足、外陰部、下腹部、太もも内側などによく見られます。
紫外線・加齢によるイボ
老人性疣贅
(脂漏性角化症)
茶色~褐色の盛り上がったいぼです。
中高年に多く、60歳以上になるとほとんどの方に見られます。
顔、頭皮、首に好発します。
軟性線維腫
(スキンタッグ・
首イボ)
根元の細い、丸いいぼです。
中高年によく見られます。
首など皮膚の薄い部位に好発します。
アクロコルドン
(首イボ、脇イボ、胸イボ)
首や腋まわりにできる突起状のいぼです。
30代以上の方によく見られます。
胸にできることもあります。
いぼができる原因や
できやすい人の特徴
いぼの原因としては、ヒトパピローマウイルスや伝染性軟属腫ウイルスなどのウイルス感染、加齢、紫外線、摩擦などが挙げられます。
ウイルスの感染経路としては、いぼとの直接的な接触、足ふきマット・スリッパなどを介した間接的な接触がありますが、感染~発症までに数カ月を要することから、経路まで特定できないケースがほとんどです。
いぼができやすい人の特徴
- 中高年の人
- 紫外線対策をしていない人
- 締め付ける衣類などによる繰り返しの摩擦(首、腋など皮膚の薄いところ)がある人
いぼ取り・いぼの治療法
冷凍凝固法
マイナス196℃の液体窒素をいぼにあて、部分的に細胞を冷凍・破壊する治療です。
いぼの治療としてもっとも一般的な治療と言えますが、痛みが強い、1~2週間ごとに何度か繰り返す必要があるというデメリットがあります。そのため、小さなお子さんには向かないことがあります。
治療後は水ぶくれ、赤みなどが出ますが、次第にかさぶたが形成され、その後自然に剥がれ落ちます。
炭酸ガスレーザーによる焼却
炭酸ガスレーザーを照射し、いぼの組織を蒸散させるという治療です。
局所麻酔を行うため基本的に治療中に痛みは感じません。また、出血もほぼなく、傷痕も目立ちません。治癒期間も、比較的短くなります。
一方で、冷凍凝固法と比べるとやや再発率が高くなります。
イミキモドクリーム外用薬
尖圭コンジローマに対しては、抗ウイルス薬配合の外用薬「イミキモド」が有効です。
漢方薬(ヨクイニン)
ウイルス性いぼ治療に使われる漢方薬として、ヨクイニンが知られています。
いぼに対する免疫力を高めることで、症状の改善を図ります。
いぼは自分で取り除くことができる?ハサミで切っても
大丈夫?
ごくたまに、引っ張る、ねじるといった方法でいぼを自分で取ろうとする方がいらっしゃいます。出血してひどく痛むだけでなく、感染や化膿を起こす、大きな痕が残るといった二次的な問題が起こるため、絶対におやめください。
ハサミやカッターなど、道具を使った場合も同様です。いぼを取りたいという場合には、必ず皮膚科に相談してください。
いぼができた時に注意すべきこと
いぼができた場合には、以下のような点にご注意ください。いぼが余計に大きくなったり、出血をしたり、まわりの人にウイルスをうつしてしまうリスクが高くなります。
- いぼを触る、引っ張る、ねじるなど刺激を与える行為はお控えください
- 洗顔、入浴の際には擦らないように注意しましょう
- 硬くデコボコしている、刺激していないのに出血している・ジュクジュクしているといったいぼの放置(悪性の疑いがあります)
いぼ取りは保険適用?
費用について
以下に該当する場合には、保険診療としていぼの治療(いぼ取り)ができます。
- 悪性であることが疑われるいぼ
- まぶたのまわりにできたいぼで、視野が障害されている
- 顔にできたいぼで、髭剃りや洗顔の際に邪魔になる
- 服を着たり脱いだりする時に邪魔になるいぼ
- 治療が必要なウイルス性のいぼと診断された
いぼのよくあるご質問
いぼは、1回の治療で取り切れますか?
できた部位、大きさなどにもよりますが、多くの場合、複数回の治療(通院)が必要です。
皮膚の硬いところにできたいぼ、大きないぼなどは、特に治療回数が多くなります。
いぼを取った後、同じ場所に再発するということはありますか?
ウイルス性のいぼについては、再発することがあります。対して加齢や紫外線などを原因とするいぼは、同じ場所に再発するリスクは低くなります。
いぼを取った跡は残りますか?
皮膚の一部を取るわけですので、どのような治療であっても基本的に跡が残ります。
当院では、できる限り跡が残らないよう、丁寧に、必要最小限の侵襲でいぼ治療を行います。
悪性のいぼはありますか?
はい、硬くデコボコしたもの、刺激したわけでもないのに出血している・ジュクジュクしているものは、皮膚がんを疑います。
冷凍凝固法の場合、治療期間はどれくらいになりますか?
液体窒素を用いた冷凍凝固法では、1~2週間ごとに、液体窒素でいぼを冷凍・破壊する治療を繰り返します。
大きさ、深さなどによって異なります。
ウイルス性のいぼがある人と同じお風呂を使っても大丈夫ですか?
お風呂に一緒に入る、その人の後でお風呂を使うといったことでウイルスが感染する・いぼができるといったことはありません。
プールなども同様です。ご安心ください。