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顔、頭皮、首などの
アトピー性皮膚炎は
どうやって治すの?治し方

「顔」「頭皮」「首」の
アトピー性皮膚炎の治療法

「顔」「頭皮」「首」のアトピー性皮膚炎の治療法アトピー性皮膚炎の症状が出やすい部位には、顔、頭皮、首などがあります。またその他、胸、背中、肘・膝の内側、お尻などでも見られます。
このような場所に現れるアトピー性皮膚炎の治療法としては、以下のようなものがあります。

肌を清潔に保つ・保湿
(スキンケア)

アトピー性皮膚炎の方の多くが、乾燥肌にお悩みです。治療では、この乾燥を改善するスキンケアが、もっとも重要になると言えます。皮膚が乾燥していると、バリア機能が低下し、アレルゲンを簡単に侵入させてしまうためです。
石鹸・シャンプーで身体・頭を優しく洗い、お風呂からあがって水気をとったらできるだけ早く保湿剤を塗布します。保湿は入浴後だけでなく、手を洗った後、洗顔をした後、あるいはそれ以外のタイミングでも小まめに行います。少なくとも、朝と夕の2回は保湿を行ってください。

薬物療法

ステロイド外用薬

薬物療法の中心となるのが、ステロイドの外用です。適切な強さのステロイドを、適切な量塗布することで、副作用を抑えながら、症状を改善します。

タクロリムス

アトピー性皮膚炎専用の治療薬として、タクロリムス軟膏も有効です。特に顔・首のアトピー性皮膚炎に対して高い効果が期待できます。

デルゴシチニブ軟膏(JAK阻害剤)・ジファミラスト軟膏(PDE4阻害剤)

ステロイド外用剤や免疫抑制外用剤とは異なる作用を持ちます。デルゴシニチブ軟膏は炎症やかゆみなどを引き起こす信号を免疫細胞に送る JAK/STAT経路にはたらきかけ、アトピー性皮膚炎の症状を改善します。ジファミラスト軟膏はホスホジエステラーゼ4(PDE4)の活性を阻害し、細胞で炎症および抗炎症に関与する物質の発現を調節することにより、皮膚の炎症を抑えてアトピー性皮膚炎の症状を改善します。副作用が少なく、安心して使用することが可能です。

内服薬

内服薬では、抗アレルギー薬が中心となります。
効果が十分でない場合には、免疫抑制剤、生物学的製剤などの内服も検討します。

プロアクティブ療法、
リアクティブ療法

ステロイドの外用などで皮膚の状態が表面的に良くなってからも、皮膚の奥では潜在的な炎症が続いています。ここで治療をやめると、再発のリスクが非常に高くなります。
「プロアクティブ療法」とは、表面的な皮膚症状の改善が認められてからもステロイド外用薬などの治療を継続し、潜在的な炎症までしっかりと鎮める治療のことを指します。これにより、再発のリスクが抑えられます。
対する「リアクティブ療法」では、かゆみが出た時だけ薬を外用する(かゆくない時は塗らない)という治療法です。軽いアトピー性皮膚炎の場合には、リアクティブ療法でも多くは炎症を正しくコントロールできます。

紫外線治療

紫外線には、過剰な免疫を抑制する作用があります。
紫外線に対する感受性を調べた上で、部位・重症度などを考慮し、適切な量の紫外線を照射します。週1~2回の照射を、継続的に行っていきます。
なお、紫外線治療に痛みはありませんので、ご安心ください。

アトピー性皮膚炎による
顔の赤み・赤ら顔を軽減する
方法は?

顔の赤み・赤ら顔になる原因について

皮膚の色は人それぞれですが、顔の赤み、赤ら顔にお悩みの方は少なくありません。
何らかの疾患が原因となっていることもありますので、気になる方は当院にご相談ください。

毛細血管拡張症

毛細血管の拡張によって、皮膚を透かしてその赤色が認められることを指します。稀に、ほてり、痛みを伴います。赤みは、特に冬期に強くなります。
加齢、紫外線、遺伝的要因などが原因となります。

単純性血管腫

先天的な血管腫によって、皮膚を透かして赤みが見られることを指します。生まれつきのものですが、加齢に伴い色が濃くなる、盛り上がるということがあります。一方、自然に消えるということはほとんどありません。
多くは顔の中で限局的に出現しますが、広範囲である場合にはレーザー治療に保険が適用されます。

酒さ(しゅさ)

中高年によく見られる、鼻、頬を中心とした赤みを伴う疾患です。赤みに加え、ポツポツとした丘疹が見られます。また、しばしば火照り、刺激感があります。
増悪因子として、紫外線、外気温の急激な変化、刺激のある食べ物やアルコールの摂取などが知られています。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の場合も、かゆみに加えて、皮膚の赤みが現れることがあります。
顔では耳、口回りで好発しますが、額や頬、鼻、顎、あるいは顔全体に症状が出るということもあります。

主な治療

毛細血管拡張症、酒さ、広範囲の単純性血管腫に対しては、レーザーによる治療で改善が期待できます。
アトピー性皮膚炎の場合は、適切なスキンケアや薬物療法、場合によっては紫外線治療などが行われます。

アトピー性皮膚による頭皮の強いかゆみ・乾燥・フケを
対策する方法は?

アトピー性皮膚による頭皮の強いかゆみ・乾燥・フケを対策する方法は?アトピー性皮膚炎による頭皮や生え際の強いかゆみ・乾燥・フケは、アトピー性皮膚炎の治療を行うことで、軽減が可能です。
ご自宅でできる対策を含めて、その改善方法をご紹介します。

主な対策

皮膚科で治療を受ける

症状を改善するためには、スキンケア、薬物療法などによる皮膚科での治療がもっとも確実です。

アレルゲンとの接触を回避する

こちらも皮膚科で指導されますが、ダニなどのハウスダスト、食べ物などがアレルゲンとなっている場合には、その接触をできる限り回避しましょう。
ハウスダスト対策としては、小まめな室内の掃除、寝具・カーテンなどの洗濯、布製品(ソファ・クッション)の回避、換気などが有効です。

頭皮を掻きむしらない

頭皮を掻きむしると、炎症がひどくなったり、傷ができる原因となります。かゆみが強い場合には、そのことを医師にしっかりと伝えましょう。

正しい頭皮ケア

低刺激のシャンプーを使い、指の腹を優しく当てて洗髪するようにしましょう。また入浴後は、できるだけ早く頭皮の保湿を行います。

紫外線対策

紫外線が頭皮の炎症を悪化させることもあります。頭皮も、日傘、通気性の良い帽子で紫外線対策をしましょう。日焼け止めスプレーについては、使用前に医師に成分を確認してもらってください。成分によっては、症状が悪化するおそれがあるためです。

ストレスを溜め込まない・
解消する

過度のストレスは、アトピー性皮膚炎を悪化させる原因となります。ストレスを溜め込まないこと、小まめに解消することが大切です。

シャンプ―・入浴の
5つのポイント

低刺激のシャンプーを選ぶ

低刺激のシャンプーを選ぶ現在、さまざまなシャンプーが売られていますが、アトピー性皮膚炎の方は低刺激シャンプーを優先的に選ぶことをおすすめします。低刺激のものでも合う・合わないがありますので、お試しボトルを買って比べてみるのも良いでしょう。

優しく洗う

頭皮も身体も、ゴシゴシと擦らず、優しく洗ってください。身体を洗う際には、タオルではなく手のひらを使うことで、皮膚への刺激が抑えられます。

ドライヤーを近づけ過ぎない・冷風を使う

ドライヤーを近づけ過ぎない・冷風を使うドライヤーを近くで使うと、どうしても頭皮が温まり、かゆみや炎症の原因となります。少なくとも20cm以上は放しましょう。またバスタオルで予め水気をしっかりとっておくと、ドライヤーを当てる時間も短くて済みます。
時間がある時には、冷風で乾かすのもおすすめです。

アトピー性皮膚炎による
首の黒い・黒ずみを
改善する方法は?

アトピー性皮膚炎では、首などの皮膚に黒っぽい・赤黒い・茶褐色の色素沈着が残ることがあります。
当院では、こういったアトピー性皮膚炎の治癒後の色素沈着の治療にも対応しています。

色素沈着する原因

アトピー性皮膚炎で起こる色素沈着の原因は、皮膚の炎症にあります。
炎症が鎮まれば、皮膚のターンオーバーが進み徐々に薄くなっていきますが、症例によっては、長く残ります。

主な治療法

アトピー性皮膚炎の後に残った色素沈着については、以下のような方法で改善が可能です。

タクロリムス

アトピー性皮膚炎専用の治療薬としても使われています。