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蕁麻疹(じんましん)

ストレスが蕁麻疹に与える
影響は?蕁麻疹とは

ストレスが蕁麻疹に与える影響は?蕁麻疹とは蕁麻疹とは、突然、皮膚に蚊に刺されたような赤みのある盛り上がりが発生し、かつ数十分~1日以内に跡形もなく消失する病気です。しばしば、地図の大陸部分のようにいびつな形で現れます。また、かゆみ、チクチクとした痛みがあります。
ある場所で消えては違う場所で現れるといったことが繰り返され、常に身体のどこかに蕁麻疹があるという方もいらっしゃいます。
原因は食品や薬剤などさまざまですが、ストレスを抱えている時期に発症する・悪化する傾向があります。ストレスが直接的な原因というよりも、発症・悪化しやすくさせる因子だと考えられています。

蕁麻疹は夜に出やすい?!

慢性蕁麻疹とは、毎日のように蕁麻疹が現れる状態が、6週間以上続いている状態を指します。
この慢性蕁麻疹においては、夕方~夜に表れ、翌日の朝~午前中に消えるというサイクルが繰り返されることが多くなります。
また発汗をきっかけに現れるコリン性蕁麻疹は、運動や入浴が原因となるため、「(お風呂に入る)夜だけ出る」ということが起こります。

蕁麻疹と湿疹の違い

蕁麻疹と湿疹は、異なる皮膚の病気です。
違いとして第一に挙げられるのが、症状の続く時間です。蕁麻疹は数十分から数時間、長くても1日以内に跡形もなく消失しますが、湿疹は通常数日は続きます。また湿疹は、治療の過程や治療後に色素沈着を残します。
異なる病気ですので、治療法も変わってきます。

蕁麻疹の原因

蕁麻疹は、食品や添加物、薬剤、植物・昆虫、摩擦、紫外線など、実に多様な原因を持ちます。
そのため、原因を特定できるケースは30%に満たないと言われています。ただ、原因を特定できない場合にも治療は可能ですので、諦めず、当院にご相談ください。

蕁麻疹の原因(一例)

食べ物・食品

  • 魚介類(サバ、エビ、カニなど
  • 卵・乳製品(鶏卵、牛乳、チーズなど)
  • 肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)
  • 穀類
  • 野菜(大豆、小麦、蕎麦など)

食品添加物

  • 人工色素
  • 防腐剤(パラベンなど)

薬剤

  • 抗生物質
  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬(アスピリンなど)、せき止めなど

植物・昆虫

  • イラクサ
  • ハチ など(触れる・刺される)

物理的な刺激

  • 下着などによる摩擦や圧迫、こすれ
  • 寒冷・温熱刺激
  • 日光など

その他

  • 運動や発汗(特定の食品や体質などと組み合わさって原因となる)
  • 内臓・全身の病気(甲状腺疾患、ウイルス性肝炎、膠原病など)
  • 疲労・ストレス(身体的・精神的なもの)

予想される原因によっては、アレルギー検査をおすすめします。

蕁麻疹の種類

蕁麻疹には、以下のような種類があります。
正確な診断、適切な治療のため、症状については診察の際に詳しくお聞かせください。

急性蕁麻疹

ほぼ連日繰り返される蕁麻疹のうち、発症後6週間以内のものを指します。

慢性蕁麻疹

ほぼ連日蕁麻疹が繰り返される状態が、6週間以上続いている状態です。原因不明となることがほとんどです。

物理性蕁麻疹

機械的擦過(皮膚を引っ掻く等)、圧迫、温・冷、紫外線、振動などの物理的刺激によって起こる蕁麻疹です。

コリン性蕁麻疹

入浴や運動に伴う発汗を原因として起こる蕁麻疹です。子ども~若い人にしばしば見られます。

アレルギー性蕁麻疹

食品、薬剤、昆虫、植物などがアレルゲンとなって発症する蕁麻疹です。IgEという血清蛋白が関与しています。

イントレランス

非ステロイド系消炎鎮痛剤、造影剤、色素、サリチル酸などを原因とします。IgEは発症に関与しません。

血管性浮腫(クインケ浮腫)

口唇、眼瞼(まぶた)などが突然腫れ、2~3日続きます。

アナフィラキシー

アレルゲンが体内に入ってから短い時間で蕁麻疹、喘息症状、血圧低下などの全身症状が現れることを指します。救急外来を受診してください。

食物依存性運動誘発
アナフィラキシー

アレルゲンとなる食物を摂り、かつその後に運動することで起こるアナフィラキシーです。アレルゲンの吸収が、運動によって亢進することで発症するものと考えられます。
小麦、甲殻類、果物が原因になるケースがよく見られます。

治療

治療主に、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服を行います。また患部を冷やすことで、かゆみの軽減が期待できます。
原因を特定できた場合には、その物質や習慣を取り除きます。

注意点

  • 患部を擦ったり引っかいたりしないようにしましょう。
  • 身体が温まることで、症状が悪化することがあります。汗をダラダラとかくような激しい運動、長時間の入浴・サウナなどは控えます。

蕁麻疹が出たときの
対処法・予防法

  • 激しい運動、長時間の入浴は控えましょう。お風呂はぬるめのシャワーで済ませることをおすすめします。
  • 皮膚との摩擦を控えるため、ゆったりした服装で、安静してください。
  • 処方された薬は正しく使用しましょう。かゆみを抑えることで、掻き壊しを防げます。また、かゆみに伴うストレスの解消に役立ちます。
  • 子どもの場合は、ご家庭での親御さんの協力が不可欠です。特に食物を原因とする場合には、毎日の食事から取り除くなどのご配慮をお願いします。
  • 蕎麦、ピーナッツ、ゴム(ラテックス)を原因とする場合、その摂取・接触によって、アナフィラキシーなどの重篤な状態に陥るリスクが高くなります。特にご注意ください。
  • ストレス、生活習慣病の乱れ、過労などが背景にあると、改善が難しくなります。生活環境を整える、十分な睡眠・休養をとることなどを心がけてください。
  • 繰り返される蕁麻疹は、日常生活に多大な影響を与えます。放置せず、お早めに当院にご相談ください。