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大人になってからの
アトピー性皮膚炎は
治らない?治る?

大人になってからの
アトピー性皮膚炎は
増加傾向?主な原因

大人になってからのアトピー性皮膚炎は増加傾向?主な原因アトピー性皮膚炎は、乳児期に発症して小児期に治る、小児期に治らず成人後も続く、成人後に初めて発症するといったパターンがあります。
近年では成人後も続く・成人後初めて発症するというケースが増えています。
これには、食品などに含まれる添加物や化学物質の頻繁な摂取、気密性の高い家屋が招いたハウスダストの増加、紫外線量の増加、ストレス社会化などが影響しているものと考えられます。
大人のアトピー性皮膚炎では、特にこういった因子の存在を考慮した治療を行うことが大切になります。

大人と子どもの
発症部位の違い

乳児期

顔(特に口回り・耳)・首、肘の内側、足首

小児期

肘・膝の内側、お尻、顔(特に額・目のまわり)、手首、足首

成人

顔・胸・背中などの上半身、手、足首

大人のアトピー性皮膚炎の
対策

アトピー性皮膚炎の治療では、適切なスキンケアと薬物療法が中心となります。
またご自宅で以下のような対策を講じていただくことで、より高い効果が期待できます。予防・再発予防にも役立つものですので、ぜひお取組みください。

大人のアトピー性皮膚炎の対策
  • 身体を洗う時は擦らず優しく
  • 入浴後はできるだけ早く保湿する
  • 汗をかいたら放置せず拭き取る、着替える、シャワーを浴びる
  • 室内の小まめな掃除、寝具・カーテンなどの洗濯
  • 室内の換気、加湿
  • バランスの良い食事を摂る
  • 十分な睡眠をとる
  • 肌に触れる衣類には木綿など刺激の少ないものを選ぶ
  • 花粉の時期にはマスク、ゴーグルなどで対策する
  • 日焼け止めクリーム、日傘、帽子などによる紫外線対策をする
  • ストレスを溜め込まない、小まめに解消する

大人のアトピー性皮膚炎の
治療

大人のアトピー性皮膚炎の治療では、主に以下のようなことを行います。

スキンケア

スキンケア石鹸やシャンプーで身体・頭を優しく洗い、お風呂からあがって水気を拭き取ったらできるだけ早く保湿剤を塗ります。保湿剤は主に朝と夜の2回塗布しますが、それ以外にも手洗い後・洗顔後・乾燥を感じた時などには小まめに塗ってください。

薬物療法

薬物療法薬物療法では、ステロイドの外用が中心となります。副作用を心配される方もいらっしゃいますが、ステロイドを外用した場合には基本的に全身性の副作用の心配はいりません。また、適切な強さの適切な量のステロイドを塗布することで、しっかりと炎症を抑える効果を得ながら、副作用を最小限に抑えることが可能です。
その他、抗アレルギー薬の内服、顔・首のアトピー性皮膚炎に適したタクロリムス軟膏、副作用の少ないデルゴシチニブ軟膏・ジファミラスト軟膏などを必要に応じて使用します。また、免疫抑制剤や生物学的製剤の内服を検討することもあります。

アトピー性皮膚炎の薬剤(注射)

アトピー性皮膚炎の薬剤(注射)当院では、中等度~重度のアトピー性皮膚炎に有効な「デュピクセント」「ミチーガ」を取り扱っております。
いずれも生物学的製剤に分類されるお薬(注射薬)で、保険診療としての使用が可能です。大人の方(13歳以上)で中等度以上のアトピー性皮膚炎にお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。

デュピクセント(デュピルマブ)

効果

サイトカイン(IL-4・IL-13)の働きを抑制することで、かゆみなどの皮膚症状の改善が期待できます。
ステロイドの外用で十分な効果が得られない場合にまずおすすめしたいお薬です。初回の注射後、2週目にはざらつきが改善したというケースが珍しくありません。

副作用

重大な副作用はほとんどなく、使いやすいお薬と言えます。

  • 目の赤み、結膜炎
  • 単純ヘルペスなどの感染症
  • 頭痛・好酸球の増加
投与法

院内にて、注射で投与します。
初回は2本(600㎎)を、以降は2週間ごとに1本(300㎎)ずつ注射投与します。
継続して投与する場合、ご自宅での自己注射へと切り替えます。自己注射の方法は丁寧に指導しますので、ご安心ください。

ミチーガ(ネモリズマブ)(13歳以上)

発疹よりもかゆみが強く現れている・悩んでいる方におすすめです。また注射後、比較的早期から効果が実感できます。
月に1度の注射で効果が得られる点も大きな魅力です。

効果

サイトカイン(IL-31)の働きを抑制することで、主にかゆみを素早く改善します。患者さんによっては、注射翌日から効果を実感されています。

副作用

主に、以下のような副作用が報告されています。

  • アトピー性皮膚炎の症状の一時的な悪化
  • 単純ヘルペスなどの感染症
  • 上気道炎
投与法

院内にて、注射で投与します。投与は1カ月に1回、行います。